大学の研究2(論文って何?)
ぷにぷにアザラシです。今日は前回に引き続いて、理系大学での研究の簡単な紹介をしたいと思います。
おそらく多くの大学では大学4年生になると、「研究室」に配属されて、その研究室の一員として研究をすることになると思います。
研究室。わかりそうで、案外得体の知れないものなのではないでしょうか?研究室とは多くの場合、一人の教授が先導する、ある特定のテーマに関する研究を行うチームのことを指します。ですので、ひとつの研究室で何でも出来るわけではありません。ある研究室はショウジョウバエの飛び方を研究しているでしょうし、ある研究室はがん細胞の分裂について研究しているでしょう。この書き方から分かるとおり、「ショウジョウバエについて研究する研究室」や、「がんについて研究する研究室」というものは、ほとんど無いのでは無いかと思います。理由は、研究対象が広くなりすぎるからです。
こういうことを耳にすると、「そんなに細かくしてしまって研究することあるの?」と思う方が多いのではないでしょうか?私が塾でアルバイトをしていた頃にも、塾の生徒に「理系に行ってももう研究することってそんなに残されていないじゃないですか?(だからもう勉強したって意味ないじゃないですか?)」と言われたことがあります。とんでもない、むしろ多すぎて手の付けようがないくらいなのです。基本的に研究をしてあることを見つけ出すと、そこから新しい疑問が湧きます。一つのことを見つけ出すと数十の疑問が湧き上がることだってあります。そうやって、どんどん疑問が増えていって、研究テーマもどんどん増え、それに対応するためにどんどん細分化されてゆくわけです。
そういう背景もあって、どこか1つの研究室で何かすごいことがわかった時に、その発見を広く知ってもらわないと、そこから湧き上がる数多の疑問に我々人類は立ち向かうことが出来ないわけです。そういう発見を報告するツールのひとつとして、今回の話題である「論文」があります。
このブログでずっと紹介してきている「論文」ですが、基本的には必ず“新しい発見”が含まれています。私たち研究者は、毎日どこかで発表される論文をインターネットで検索して、新しい情報を得て学び、新しい疑問を持ち、そのうちいくつかを自分の研究テーマとして取り扱います。つまり、研究者にとって論文は「新聞」であり「教科書」であり「ヒント集」なわけです。
一般的な論文の中身の詳細については述べません。論文の全貌の具体例をご覧になりたい方は、無料で全てを閲覧することが出来る「Nature Communications」や「Cell Reports」、「PLoS ONE」などにアクセスしてみて下さい。Natureはこちらに日本語サイトを持っています(論文内容からは英語ですが)。また、日本人で論文を書いた人が自分の論文を日本語で紹介するサイトもあります(新着論文レビュー)。このページを見ると、少しは大学の研究の雰囲気をつかめるのではないでしょうか(このサイトを紹介してしまうとこのブログの存在意義が薄れてしまいますが。。笑)?
私が高校生の頃はあまりこういう大学の研究の雰囲気を知ることすら厳しかったので、こういう記事がどこかの高校生の目に留まれば幸いです。
それでは、最後まで読んで下さりましてありがとうございました!