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The Scientific Ocean

誰にでもわかりやすいように生命科学を解説しようとするアザラシのブログ。

中の人(アザラシ)のTwitterは@puni2azarashiです。

水よりもスポーツ飲料だけれども

ぷにぷにアザラシです。

今日は論文紹介ではなくて、私の知っている範囲での科学の知識をご紹介したいと思います(これからはこのようなコーナーをコラムと称します)。
と言っても、私は大学教授のようなエキスパートではありませんので、ある程度はご了承いただけますと幸いです。

これから数回は、「電気生理」というものを扱います。
これは生物と物理を同時に扱う学問です。
この分野になじみのない方にはあまり想像できないのではないでしょうか?
私も、高校生の時にこんな学問があるなんて知りもしませんでした。勉強するにも、生物と化学、物理と化学、という選択しか高校の時はできなかったですし(当時の私の高校(私立)では、です)、生物と物理が融合する日が来るとは思ってもみませんでした。そのため、おそらくほとんどの方がご存じないと思いますので、このジャンルを扱うことにしました。頑張って平易な説明を心がけますが、何か分からないことがございましたらコメントをいただけますと幸いです。

今日ご紹介するのは、「イオン」についてです。

皆さん、イオンという言葉をご存じでしょうか?
滝壺にはマイナスイオンがたくさんあるとか、そんな感じで聞いたことがあるかもしれません。
イオンとは、「電気を帯びた粒」と思っていただいて良いと思います。マイナスイオンは、マイナスの電気を帯びた粒、反対のプラスイオンはプラスの電気を帯びた粒、です。
今回タイトルにしたスポーツ飲料に関しても、イオンという言葉を聞いたことがある人がいるかもしれません。スポーツ飲料は普通の水に比べて体に必要なイオンが入っているから、スポーツ時にはいい水分補給になる、という感じでよく宣伝されていますね。「体液に近い成分」だからオッケー、ということを聞いたことがある方もいるかと思います。なんなら、某大○製薬のポ○リスウェットのカロリーオフのものの商品名は「イオンウォー○ー」と言います。そのまんまです。

では、「体に近い成分」っていったい何なのでしょう?
体の成分に該当するものはもちろんたくさんありますが、今回は体のうち液体である「血液」に着目したいと思います。その血液の成分の中で最も大切なものの一つとして、今回話題にするイオンがあります。

では早速、私たちの血液はどんなイオンでできているのでしょうか?
プラスイオンとしては、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)がよく知られています。
マイナスイオンとしては、主には塩化物イオン(クロライドイオン、Cl-)が知られますが、他にも硫酸イオン(SO4 2-)、炭酸イオン(CO3 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)などがあります。

さらにここで大切なのは、これらイオンの血液中での濃度は厳密に保たれている、ということです。
例えば、ナトリウムならば血液検査値でいうと135-150という間の値を保ちますし、カリウムとなると3.5-5.5という非常に狭い範囲で制御されています。
もしもこれらのイオンのバランスが崩れるとどうなるか。すべて体調不良になり病気と診断されます。特にカリウムは、高濃度になると死に至るため、医療現場では注射などで事故の起きないように多数の対策が取られています。それだけ、私たちの体は血液中のイオンに制御されているのです。

ではどうやって私たちは血液中のイオン濃度を制御するのでしょう?
それには、腎臓がほとんどすべての役割を担っています。ナトリウムが高ければ、ナトリウムをおしっこに出し、逆に少なければ出さないようにしています。ラーメンを食べた後に何となくおしっこから塩っぽいにおいを感じた経験のある方もいるのではないでしょうか?そんな時は腎臓が頑張っているのです。また、炭酸イオンについてはも排出に関与していて、血中の炭酸イオンが多いと、吐く息に二酸化炭素がたくさん含まれるようになります。

こんな感じで、私たちの体は日々イオンを厳密に制御しているのです。

では、このイオンはいったいどんなことをしているのでしょう?
体のどんなことをイオンは制御しているのでしょう?
それについてはまた次回述べたいと思います。

 

それでは次回もよろしくお願いいたします!