”空白”を読む鳥
本当にお久しぶりです。ぷにぷにアザラシです。身の上が忙しかったために、ここ数ヶ月は更新できておりませんでした。。まだしばらく忙しい日々が続きそうですが、ぼちぼち更新をしたいと思います。
今日紹介する論文は、酉年ということで(今更と言わないで)、これです!
Mind the gap: Neural coding of species identity in birdsong prosody
“ホーホケキョ”。春が近づくにつれてウグイスはその“歌”に磨きをかけてゆきます。鳥は、大人の鳥の鳴き声を聞くことによって自らの鳴き方を学習していきます。しかし、自然の中にいるたくさんの鳥がそれぞれの鳴き声で鳴いている中で、どうしてウグイスは自分の鳴き声が“ホーホケキョ”だと知り、それに磨きをかけることができるのでしょう?今回紹介する論文は、そんな不思議の一部を解明したものです。
この論文で使用しているのはキンカチョウと呼ばれる小鳥(ペットとしても飼われています)で、こんな感じです。
(提供:OIST)
この動画のように、キンカチョウは親から鳴き声を学習する性質があります。
ではもし、幼いキンカチョウが自分とは違う種類の親に育てられたら、どうなるのでしょうか?この論文の筆者達は、幼いキンカチョウと成鳥になったブンチョウを一緒に飼うことで、キンカチョウにブンチョウの鳴き声を覚えさせました。すると、キンカチョウはブンチョウの音程を覚えることができました。しかし、音と音の間の休符を守ることができなかったのです!つまり、キンカチョウはブンチョウの鳴き声の音を出しているのに、その鳴き声のテンポが全然違う、ということです。さらに筆者達は、その鳴き声のテンポは、キンカチョウが生来的に持っているテンポに依存していると主張しています。
つまり、鳥の鳴き声のメロディーは生まれてから決まるけれども、メロディーのテンポは生まれながらにして既に決まっているということです。
全ての鳥にこのような仕組みが備わっているのかはもちろん不明ですが、自然の偉大さを感じた論文でした。詳しくは、OIST(沖縄科学技術大学院大学)のこのページに紹介されていますので、是非!
それでは、このあたりで失礼します。最後までおつきあいありがとうございました!